2009年11月30日月曜日

岩手競馬存続、再び暗雲 将来展望の議論必要

 岩手競馬の売り上げ減少に歯止めがかからない。赤字を出さない「収支均衡」を存続条件に再出発してから3年目。売り上げ減に応じて開催経費を削減するなど、計画の下方修正で収支均衡を図っているが、数字上のやりくりだけで根本的な解決策には至っていない。今季は職員の退職手当基金の積み立てを見送ったほか、老朽化する施設の設備更新費など財源不足も露呈。景気低迷で全国の地方競馬が苦境にあえぐ中、岩手競馬の事業継続に再び暗雲が立ち込めている。(報道部・宮川哲)

 「必要な基金を積まずに収支均衡と言えるのか」。25日の県競馬組合議会は、退職手当基金に積み立てる予定だった8千万円を全額コスト削減に振り向けたことに議論が集中した。

 ▽苦渋の決断

 県競馬組合は職員の退職金を確保するために毎年度8千万円を基金として積み立てる計画を立てているが、売り上げ不振で今季は積み立てを見送った。

 職員20人の退職金総額は約3億円に上る見通しだが、基金残高はわずか440万円。宮一夫副管理者は「積立金を確保するために、広告宣伝やファン優待バスをやめれば、さらに発売額が減りかねない」と苦渋の決断をにじませる。

 事業継続に必要な設備更新費の財源もめどが立っていない。県は、水沢競馬場に隣接する場外発売所の大型映像装置や勝馬投票券の自動販売払戻機の更新などに今後数年間で5億円以上が必要と試算している。

 しかし、組合が設備更新のために積み立てている施設等整備基金は約1億4千万円しかない。本来は競馬事業で得た収入で開催経費や設備更新費、退職金など、すべての支出を賄わなければならないが、自力再生の道筋は見えない。

 岩手競馬の売り上げは1991年度の689億円をピークに減少が続く。09年度当初は218億円の売り上げを見込んだが、今月に入り210億円に下方修正。ピーク時の3分の1以下に落ち込んでいる。

 ▽「負の連鎖」

 達増知事は「来年の日本経済はプラス成長との予測もある」と景気好転に期待を寄せるが、売り上げ回復につながるかは不透明だ。

 県民世論を二分した存廃論議からもうすぐ3年。民間企業への包括業務委託を08年度に見送った後、岩手競馬の将来ビジョンが十分に議論されてきたとは言えない。

 岩手競馬が廃止になれば、雇用や地域経済に大きな影響が出る。一方、今の状況が続けば、またも多額の税金投入が必要になることが予想され、県民理解を得られるか疑問だ。

 「滝つぼに向かって突き進んでいるようだ」。競馬関係者から将来を悲観する声が漏れる。「負の連鎖」をどう断ち切るのか。

 事業継続を最前提とするならば、盛岡、水沢の「二場体制」の見直しなどを含め、中途半端な改革ではもはや立ち行かなくなっている。県民負担の影響を最小限に抑えるための方策を議論し直す時期に来ている。(岩手日報)

2009年11月28日土曜日

浦和競馬  赤字解消 ゴール目前

■清掃、警備自前で/大井、川崎などと連携

 累積赤字が10年以上続いた「浦和競馬」(さいたま市南区)が今年度末に、赤字を解消できる見込みとなった。2001年度に過去最多の25億円を記録した後、経費節減や他競馬場との販売提携強化などで経営改善を図り、08年度末で3億7300万円まで縮小。今年度は4億円超の単年度黒字を確保できる見通しとなった。地方競馬の多くが経営難に陥る中、ファンを拡大できる「エンターテインメント施設」への脱皮を図る。

■魅力作りが課題

 浦和競馬は戦後間もない1947年設立。大井競馬(東京)、川崎競馬(神奈川)、船橋競馬(千葉)とともに、南関東四競馬と称され、77年度からは、県やさいたま市でつくる県浦和競馬組合が運営してきた。
 地方競馬全国協会などによると、バブル景気の崩壊後、地方競馬は急激に売り上げが落ち込み、88年度に26か所あった競馬場は、07年度までに10か所が閉鎖され、残った16か所のうち5か所は単年度赤字に陥った。
 浦和競馬も苦しい経営が続いてきた。92年度末時点には22億円の積立金があったが、徐々に目減りし、98年度から累積赤字に。01年度には13億3400万円もの単年度赤字を計上する事態となり、累積赤字は25億1800万円にまで拡大。県の主導による経営再建がスタートした。
 手始めに、外注してきた清掃や警備などの業務を職員が行い、3億5000万円超の経費を節減。さらに、南関東四競馬が連携、開催日のバッティングをなくして、馬券の相互販売も強化した。インターネット販売も導入するなどしたところ、売り上げは回復し、05年度以降は4年連続で単年度黒字を達成した。08年度からは、老朽化した観戦スタンドの建て替え工事に、計4億5000万円の事業費を投入する余裕も生まれた。
 今年度は長引く景気低迷で馬券の販売減が懸念されたが、4~9月期の1営業日あたり売上金は、前年同期比2・4%減の6億8200万円で推移しており、通年の売り上げは前年の341億円を数%下回る程度で踏みとどまれそう。利益は4億円以上が見込め、累積赤字からの脱出が現実味を帯びてきた。
 ただ、これまでの業績回復は、協力関係にある大井、川崎両競馬場の集客力に頼ってきた面が多く、浦和競馬場独自の魅力作りが今後の大きなポイントになる。
 組合では、場内清掃の徹底、周辺の花卉(かき)植栽、場内飲食店のメニュー見直しなど、目に見える場所から改善。地元のファンにも好評で、子ども連れでよく来るという30歳代の男性も「古い建物だけど、トイレなどの掃除をきちんとやるようになった気がする」と話した。
 レース開催日の場内で大道芸イベントを行う試みも始めており、組合では「ファミリー層も楽しめるエンターテインメント施設を目指す」としている。(読売新聞)

2009年11月27日金曜日

対象広がった褒賞金 外国馬後押し

 クィーンスプマンテの逃げ切り勝ちで、ファンをアッと驚かせたエリザベス女王杯でフランスから遠征のシャラナヤが4着に健闘した。シャラナヤはあと一歩のところで新制度の恩恵を逃した。
 日本中央競馬会(JRA)は今年5月、外国馬に対する褒賞金の制度を変更した。昨年までも制度はあったが、優勝した場合に限られていた。今年、この支給範囲を3着までに広げた。世界の一流馬を少しでも多く勧誘しようという狙いだった。
 ジャパンカップ(JC)の外国馬のうち褒賞金獲得の権利を持つのはコンデュイット(英)。米国のブリーダーズカップ(BC)ターフなどの大レースを制し、有資格馬となった。
 コンデュイットがJCで優勝すれば、2億5千万円の本賞金のほかに褒賞金1億3千万円が与えられる。2着でも褒賞金は5200万円(賞金1億円)、3着でも3250万円(賞金6300万円)を手にすることができる。
 外国馬が日本のレースに出走する際にてこずるのは、タイムの速い芝コースだ。しかしコンデュイットはこの点もクリアしている。昨年と今年、BCターフを2連覇し、いずれも芝2400メートルで2分23秒台という速いタイムをマークしている。最近10年間で2勝と劣勢の外国馬だが、今年は例年とは違う戦いを見せてくれそうだ。(朝日新聞)

福山競馬存廃で検討委設置へ

 福山市の羽田皓市長は26日の記者会見で、福山競馬について存続と廃止の両方を視野に意見を聞く市民参加の検討委員会を近く設置する方針を示した。福山競馬は本年度上半期に4千万円近い赤字となっている。
 羽田市長は(1)市議会から存廃を検討する機関の早期設置を求める意見が出た(2)来年度予算の編成時期に差し掛かっている―ことを理由に、競馬事業を継続するかどうか「一定の判断をしなければならない時期に来ている」と説明した。
 廃止は約1千人と見込まれる競馬事業関係者の雇用問題にも直結するため、最終判断を下す前段として検討委で「市民の方々のいろいろな意見を聞きたい」と述べた。(中国新聞)

八代の場外馬券場 11年春オープンへ

 八代市は26日、日本中央競馬会(JRA)が同市日奈久平成町の埋め立て地に建設する場外馬券売り場「ウインズ八代」が2011年春にオープンするとの見通しを明らかにした。福島和敏市長が17日に東京でJRAの担当理事と面会し、説明を受けたという。
 市によると、JRAは年内に場外馬券売り場の設置認可を農相に申請。年明けにも認可を受け、来年5月ごろにも着工する見通しだという。(西日本新聞)

2009年11月25日水曜日

佐賀競馬6年ぶり黒字 08年度決算 売得金は3.6%減

 佐賀競馬組合議会の定例会が25日、鳥栖市で開かれ、2008年度決算を承認した。勝ち馬投票券(馬券)の売上金から返還金を引いた売得金は前年度より3・6%減ったが、人件費や賞金などを削減した結果、単年度事業収支は約3500万円のプラスを計上、6年ぶりの黒字となった。
 歳入は約128億6000万円で、歳出は約128億8000万円。形式収支額は約2000万円の赤字だが、07年度の赤字分(約5500万円)を今年度予算から繰上充用しており、その分を除いた単年度の事業収支は黒字になった。
 売得金は、約117億8600万円。佐賀競馬場と県内外5か所の場外発売所での売得金は12・5%減ったが、他の競馬場が主催するレースを扱う日数を2倍以上に増やしたことや、インターネットによる在宅投票が好調だったことなどが全体の落ち込み幅を小さくした。
 ただ、宮崎市にある田野場外発売所は06年の開設以来、業績が不振で、来年2月には同市内に中央競馬の場外発売所ができることから、監査委員は「廃止を含め対応策を検討する必要がある」と指摘した。(読売新聞)

福山競馬60周年で記念式


 福山市営競馬の開設60周年を祝う記念式が24日、福山市東桜町の市役所であり、羽田皓市長が競馬事業に携わっている団体を表彰して長年の苦労をねぎらった。
 主催者の市や競馬関係者ら約30人が出席。羽田市長は「競馬事業が戦後復興、都市基盤整備に貢献した。多くの名馬も輩出した」などと述べ、広島県馬主会や県調騎会、西日本装蹄(そうてい)師会福山支部など8団体を表彰した。
 福山競馬は1949年に開設。ピーク時の91年には345億円の売り上げがあり、市財政を長らく潤わせた。しかし、最近は売り上げ減が続き、在籍馬も急減。アラブ系競走馬の単独レースも9月で終了するなど、羽田市長が存続条件に挙げる単年度黒字確保が厳しい状況になっている。
 表彰を受けた県厩務員会の世良吉正会長(62)は「状況は厳しいが、この状況をなんとか乗り越えて70周年、80周年につなげたい」と話した。(中国新聞)

【写真説明】羽田市長(右)から表彰状を受け取る県厩務員会の世良会長(中央)たち

調教師:八木正雄氏が死去 国内最年長92歳

 川崎競馬調教師の八木正雄(やぎ・まさお)氏が24日午前0時33分、腹膜炎のため川崎市内の病院で死去した。92歳だった。
 通夜は27日午後7時、葬儀・告別式は28日正午から、いずれも川崎市川崎区夜光3の2の7、かわさき南部斎苑=(電)044(277)8146=で。喪主は妻ヤスさん、長男仁(ひとし)氏。
 記録が残っている73年以降、通算5163戦437勝。05年東京プリンセス賞、関東オークスのテンセイフジなどで重賞を制覇。国内最年長の調教師だった。(スポニチ)

2009年11月24日火曜日

ゴールなき競走馬不況 アイルランド 買い手激減でレース中止

 米金融大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)からわずか2週間後の昨年9月月末、アイルランドで競走馬セリ最大手のゴフスは毎年恒例の「ゴフス・ミリオンセール」を例年通り開いたが、今年はできず、それが最後の開催になってしまった。
 ゴフスのヘンリー・ビービー最高経営責任者(CEO)は、ダブリン近郊の同社本社で、「競走馬は金があってこそ買えるもの。去年の時だって、そういうものを取引する時期じゃなかった」と振り返った。
 アイルランド・サラブレッド生産者協会(ITBA)が出した今月4日付のリポートによると、アイルランド産競走馬の落札頭数はこの2年で65%減少し、種牡馬の種付け料も急落。今年、英国クラシック2冠と仏凱旋(がいせん)門賞を制し、すでに引退して種牡馬となったシーザスターズの種付け料も、好況時に見込める額の4分の3近くにまで引き下げられている。
 国営の競走馬生産牧場、アイリッシュ・ナショナルスタッドのジュリー・リンチ氏は、競走馬市場が落ち込みから脱するまであと3年はかかると見込んでいる。
 ITBAによれば、競走馬取引の市場規模は年間総額11億ユーロ(約1469億円)以上で、アイルランドのブリーダーは欧州の競走馬の42%を生産している。だが過去10年間アイルランドの経済成長を後押ししてきた不動産市場が低迷し、アイルランドの今年の国内総生産(GDP)は前年比7.5%縮小する見通し。競走馬などに手を出す余裕はだれにもないのだ。
 「顧客のかなり多くはアイルランドの高度成長に乗っていた人たちだった」とリンチ氏。馬主になるのはITや不動産開発業界の人が多かったといい、それらの業界が不振なだけに先行きへの不安を口にした。
 シーザスターズは今年、英2000ギニー、英ダービー、凱旋門賞を史上初めてワンシーズンで制し、欧州年度代表馬を決定する09年度カルティエ賞にも選出された。種付け料は8万5000ユーロだが、調教師のジョン・オックス氏は引退時期がもう少し早ければ10~12万ユーロにはなっただろうと述べ「世界でトップクラスの種牡馬が引退するには間が悪かった」と話す。
 ゴフス・ミリオンセールは05年から毎年秋に開かれており、同セール出身馬は1年後、セール同日に開催される1着賞金100万ユーロの「ミリオンレース」に出走することができる。
 アイリッシュ・ダービーに次ぐ大規模な競馬イベントであるゴフス・ミリオンレースには、毎年1万人以上の観客が集まり、会場の「一番オシャレな女性」に2万ユーロの賞金が贈られるファッション・コンテストまで行われていた。後援は仏高級ブランドのエルメス・インターナショナルだ。
 しかしリーマン破綻直後の08年9月に開かれたゴフス・ミリオンセールでは、落札総額が3240万ユーロと前年から40%も落ち込み、1頭あたりの平均落札価格も7万2652ユーロと3分の1以上下落。ゴフスは3月31日までの1年間で、310万ユーロの赤字を計上している。
 この情勢を受け、ゴフスは今年からミリオンセールとレースの開催を断念。同社のエイミア・マルハーン氏は年次報告書で「馬を買おうという意気込みが市場にそれほど感じられなくなった」ためだと説明している。
 競馬情報サイトのアイルランド・サラブレッド・マーケティングによると、アイルランドの競走馬の落札総額は02年総計1億1200万ユーロ、06年には1億9100万ユーロに達したが、その後の08年には9950万ユーロでほぼ半減している。
 ゴフスのビービーCEOは「競走馬業界は昔から景気とともに浮き沈みしてきた。昨年は劇的に下落したということだ」と語った。(ビジネス・アイ)

2009年11月22日日曜日

笠松競馬場開設75周年祝う感謝祭


 羽島郡笠松町の笠松競馬場で、22日に開設75周年祝う感謝祭と、本場開催初日の23日にアメリカの西部劇時代をテーマにしたイベントが開催される。

 22日は、名古屋大学和式馬術部が槍(やり)術などの演武や走路での流鏑馬(やぶさめ)を披露。地元NPO法人「元気きそがわ」が蹄鉄(ていてつ)型のハンバーガーやクッキーを販売するほか、騎手のサイン会なども行われる。

 また、23日はカントリーダンスやバンド演奏がレースの合間に会場を盛り上げるほか、ロデオマシンの体験や台湾スイーツの販売などイベントが盛りだくさん。ミツアキタービン号の引退式や笠松競馬出身のJRA騎手柴山雄一さんのトークショーも開かれる。(岐阜新聞)
<写真>イベントをPRする現役最高齢誘導馬ハクリュウボーイ

馬のゼッケン、バッグに変身! 人気集める 滋賀・栗東トレセン


 日本中央競馬会(JRA)の栗東トレーニングセンター(栗東市)の競走馬が使用した帆布ゼッケンを、県内の障害者施設がバッグのブランドに変身させた。名前は「優駿」を意味する「steed」。06年に限定販売した試作品が競馬ファンに好評だったため、デザイナーの協力を得て品質を高めた。インターネット販売が中心で、若い女性からも「可愛くて使いやすい」と人気を集めているという。【安部拓輝】

 ◇JRAトレセンと福祉施設がコラボ
 栗東トレセンはJRA初の調教場として1969(昭和44)年に設立され、オグリキャップやディープインパクトなどの名馬も育ててきた。従来、馬のゼッケンは流出して売買されるのを防ぐため廃棄していた。

 施設の清掃作業で障害者らと一緒に出入りしていた県社会就労事業振興センターの城貴志さん(32)が再利用を発案してトレセンに持ち掛けたところ、「福祉のためなら」と快諾を得た。数百枚を無償で譲り受けてバッグを試作しホームページや阪神競馬場(兵庫県宝塚市)で販売すると引き合いが相次いだ。

 今年に入って改良を加え、バッグ(税込み7500~9000円)、ウエストポーチ(同4000円)、セカンドバッグ(同3500円)の3種類を用意。栗東トレセンが開設40周年を迎えた今月からネット上で本格販売を始めた。

 馬の汗や油で汚れたゼッケンは草津市内の若竹作業所で手洗いし、守山市の聴覚障害者施設「びわこみみの里」で縫製。帆布に縫い込まれた厩舎(きゅうしゃ)と馬番号は原型のまま、完成品には焼き印で製造番号を入れた。

 城さんは「参画する施設を増やし、福祉施設のイメージを塗り替えるようなブランドに育てたい」と意気込んでいる。(毎日新聞)
<写真>ゼッケンを生かしたバッグは3種類。びわこみみの里のメンバーが丁寧に縫い上げている。

2009年11月21日土曜日

一宮の場外馬券売り場建設:住民から反対相次ぐ

 一宮市篭屋の閉鎖中のスロット店を改築して場外馬券売り場建設を計画している県競馬組合(管理者・神田真秋知事)は20日夜、同市開明東屋敷の高野島公民館で地元住民への説明会を開いた。
 説明会には住民約40人が訪れた。県競馬組合の若松文男副管理者ら5人が出席し、今田幹雄主幹が計画の概要を説明し、理解と協力を求めた。
 住民からは「学校教育や青少年への悪影響」「交通渋滞の発生」を心配する意見があり、開設に反対する声が相次いだ。今田主幹は「警察に協力を要請したい」と述べるにとどまった。
 計画によると、場外馬券売り場は全国15競馬場の馬券を発売する予定。2階建てで1、2階に大型モニターを置き、有料観覧席などを配置して観戦できるようにする。
 県競馬組合は21日午後6時半から、一宮市東五城備前、一宮市役所尾西庁舎の生涯学習センターでも説明会を開く。(毎日新聞)

2009年11月20日金曜日

発売額115億4570万円 一息ホッカイドウ競馬

 道営ホッカイドウ競馬の今季のレースが19日に門別競馬場で終えた。発売額115億4570万円。前年比101.4%と健闘した。累積赤字約240億円を抱え、存続の危機の中、売り上げ増で一息ついた格好だ。
 道営競馬は4月に札幌競馬場で幕開けした。今季は旭川競馬場のナイター競馬を門別競馬場に集約したほか、門別競馬場も観客スタンドを新設し、存続に向け「背水の陣で臨んだ」(北海道軽種馬振興公社)。
 結果は前年発売額を上回った。計画比でも97.9%に達した。1日当たりの発売額は1億4254万円で、前年比2.6%増だった。
 開催は門別競馬場に集中させ74日間、札幌競馬場は6日間だった。発売額は札幌競馬7億2000万円、門別競馬場はナイター競馬などが奏功して108億2000万円。
 軽種馬振興公社は来季の開催を、札幌開催を取り止め門別競馬場に全て集約させる方向で検討している。
(苫小牧民報)

「存廃」の土俵際 赤字解消期限まで残り1年のホッカイドウ競馬


今年度の売り上げは目標に届かなかったが、収支は計画達成の見込み。
4月29日に札幌でスタートした今年度の「ホッカイドウ競馬」(道営競馬)は、今月19日の門別開催で全日程を終えた。
 巨額の累積赤字を抱え、存亡の岐路に立つ道営競馬。累積赤字が100億円を超えた1999年度に存廃議論が浮上し、道は組織改編やミニ場外馬券場の設置などを進めてきた。それでも、00~06年度までは10~20億円台の単年度赤字が続き、08年度までの累積赤字は239億円に達している。
 こうした事情を背景に道は昨年3月、08年度からの3年間で単年度収支を均衡化し、赤字体質からの脱却を目指す「北海道競馬改革ビジョン」を策定した。改革ビジョンには、見通し(10年度の赤字ゼロ)が破綻した場合は競馬事業を廃止すると明記した。
 道は今年度から、開催業務を社団法人「北海道軽種馬振興公社」に委託し、経費の削減と効率化を図った。また、主戦だった旭川開催を終了、門別開催(全ナイトレース76日間)にシフトすることで、施設賃貸料や出走馬の移送経費など数億円を削減した。さらに、発売拡大策として、初期投資や運営経費の負担が少ない民間活用型ミニ場外を道内4カ所に新設した。
 今年度の赤字目標は、昨年度比1億3000万円減の3億円。発売目標は前年度比4億円増の117億9000万円を見込んでいた。今年度の発売総額は、前年比1.35%増の115億円4500万円。目標額の97.88%だった。
 道競馬事業室は「前年よりも発売が増加した要因は、門別開催をすべてナイトレースで実施できたこと。目標には届かなかったが、レジャーの多様化や景気の低迷で、全国的にも客単価が下がっている中で、健闘したと言える。道営競馬は終了したが、場外発売所で引き続き南関東やばんえい競馬を発売することで各主催者から協力金を得られるため、赤字目標は計画通り達成できるのではないかと期待している。来年度以降もある程度の購買単価があれば続けられる自信はある」と語る。
 改革が功を奏し、今年度は目標額を達成できそうな道営競馬だが、赤字ゼロを掲げる来年度が本当の正念場になる。
 道はさらなるコスト減を図るため、今年度限りで札幌競馬場の場外発売を終了した。これにより、来年度はJRA(日本中央競馬会)に支払っていた賃料や人件費、清掃費など年間1億5000万円程度が削減できる。さらに札幌開催をやめた場合は、開催経費や馬の移送費などを軽減できるため、道は来月から札幌撤退も含めた来年度の開催計画を検討する。(北海道365)

道営競馬に継続の兆し? 本年度終了売上高、計画の98%

 道営ホッカイドウ競馬は19日、門別競馬場(日高管内日高町)で本年度の開催を終えた。本年度の総売り上げは08年度比1・4%増の115億4600万円、計画比でも98%と健闘した。道は、道営競馬の経営再建で2010年度の収支均衡を存続の条件としている。本年度の売り上げについて道競馬事業室は「不況の中、売上高は比較的順調に伸び、来年へつながる結果となった」と話している。
 今季のレースは、4、5月の札幌開催(6日間)の売り上げが計画比89%の7億2100万円。5~11月の門別開催(75日間)は、7月8日に豪雨で中止もあったが、計画比99%の108億2400万円と善戦した。
 同事業室は「昨年は15日間、昼間のレースだった門別開催を今年はすべてナイトレースにしたことが大きかった」と分析している。(北海道新聞)

2009年11月19日木曜日

100円がイッキ2億円!JRAスーパードリーム馬券!

 夢の2億馬券が飛び出すか!? 日本中央競馬会(JRA)は18日、東京・港区の六本木事務所で経営委員会を開き、11年度から新たな投票方式として「5重勝単勝式」を導入すると発表した。指定した5レースの1着をすべて的中させるという、現在主流の3連単に比べても難解な馬券。だが、その分、超高額配当が飛び出すことは確実で払戻金の上限は2億円。破壊力抜群のドリーム馬券が誕生する。

 世界的不況の影響とレジャーの多様化で、売り上げ減少に歯止めが利かない中央競馬が、新たな夢馬券の導入に踏み切る。18日のJRA経営委員会で承認された新馬券は「5重勝単勝式」。指定された5レースの1着を、すべて的中させる投票法だ。具体的な導入時期、指定レース等の詳細は未定のままだが、JRAは再来年の11年度からの導入を目指し、馬券発売のシステム構築に入るとしている。まずはパソコン、携帯電話等を利用したインターネット投票に限定して発売する予定。発売単位は現行の馬券と同じ100円で、払戻金の上限は100円につき2億円。1日1回の発売で、的中者不在の場合、売上金は次回の発売へ繰り越し(キャリーオーバー)が発生する。

 同様の重勝式馬券は米国のピック6(指定6レースの単勝)、英国のジャックポットなど、海外ではすでに導入されている競馬場も多い。国内の公営競技では競輪が08年4月から「チャリロト」を導入。同年6月の平塚競輪場で、後半7レースの1着をコンピューターが自動的に選ぶクイックピック方式で、公営競技史上最高となる7969万8600円の高額配当が飛び出している。競輪よりも発売規模の大きい中央競馬では、これを上回る億単位の払い戻しが確実視される。

 JRAでは過去に、国営競馬時代の1951年(昭26)から重勝式馬券を発売。土曜午前中の1~3Rの1着を的中させる3重勝式だったが、射幸心を嫌う当時の世相と、売り上げが全馬券の1%にも満たなかったことから61年2月に発売を中止している。

 現在は宝くじのロト6やサッカーくじのtotoBIGなど、億を超える高額払い戻しが当たり前。JRAでも昨夏から本格導入した3連単(1~3着を着順通りに的中)が、馬券売り上げの約4割を占めており、より高額配当を生み出す重勝式の導入で、他の高額配当商品との競争力を高め、馬券売り上げの減少を食い止める狙いがある。

 JRAの小畠薫理事(広報担当)は「海外の競馬主要国では一般的に発売されている方式。こうした投票法を導入することで競馬の話題性の喚起と、新規ファンの参加意欲向上を図りたい」と導入決定の経緯を説明。100円が最大2億円に化ける夢馬券が、ファン離れの進む中央競馬の救世主となれるか注目だ。(

2009年11月17日火曜日

一宮に場外馬券売り場 愛知県競馬組合が初の公設民営型


 名古屋競馬(名古屋市港区)を運営する愛知県競馬組合が、同県一宮市籠屋2のパチンコスロット店跡地に、地方競馬の場外馬券売り場の開設を計画していることが分かった。農林水産省は開設前に地元住民らの同意を得るよう求めており、説明会を20、21の両日に開く。
 同組合専用の場外売り場は、県内ではサンアール大須(名古屋市中区)などに続いて4カ所目。
 組合が設置して民間会社に運営を任せる「公設民営」型を目指す。公設民営型は同組合では初めて。
 組合によると、売り場を運営するのは、一宮市内でパチンコ店などを経営する琥珀(こはく)観光(一宮市)。開設予定地では夏までパチスロ店を営業していた。
 組合は名古屋競馬の振興策の一つとして売り場を増やそうと、場外のオーナーを募集しており、琥珀観光が名乗り出たという。
 計画では場外売り場は2階建てで、延べ床面積約600平方メートル。収容人数は180人を見込む。名古屋競馬場のほか笠松(岐阜県笠松町)、金沢(金沢市)などの地方競馬のレースも扱う。開業時期は決まっていない。
 地元向け説明会は、20日午後6時半から、一宮市開明の高野島公民館で、21日午後6時半から、同市東五城の市生涯学習センターでそれぞれ開く。(中日新聞)

笠松競馬場・土地明け渡し訴訟:県地方競馬組合、和解案を承認

 笠松競馬場(笠松町)の一部地主が運営者の県地方競馬組合に競馬場用地の明け渡しを求めた控訴審について、同組合の議会は16日、定例会を開き、和解案を承認することを議決した。12月1日に名古屋高裁で正式和解が成立し、同競馬場の当面の存続が決まる。

 同組合によると、和解案は10年度までの年間用地賃貸料を1坪1200円(一部1100円)とし、11年度以降は、前年度の売り上げに応じ、1000万円について0・4%の割合で変動させる。土地の固定資産税の1・5%を最低額とし、契約終了後は3年以内に原状回復して明け渡すとしている。

 同訴訟は、地主253人のうち86人が06年に土地明け渡しを求めて提訴。岐阜地裁は08年5月、明け渡しを命じた。組合側は控訴したが、高裁でも組合が敗訴すれば、競馬場廃止の可能性があった。

 組合管理者の広江正明・笠松町長は「経営はいまだに厳しい状況であるが、3年半、裁判に使っていた神経を競馬場運営に転換し、関係者が一丸となって努力したい」と話した。【石山絵歩】

愛知県競馬組合:一宮の場外馬券場計画で住民説明会--20日

 愛知県競馬組合(管理者・神田真秋知事)が、一宮市篭屋の閉鎖したスロット店を改築して場外馬券場開設を計画している。20日に地元住民説明会を開く。開設されれば県内で四つ目となる。

 全国15競馬場の馬券を発売する予定で、年間約320日開き、土・日曜日は基本的に休む。建物は2階建てにして1、2階に大型モニターを置き、有料観覧席などを配置して観戦できるようにする。1日平均約180人の入場者を予想し、駐車場は既存の600台分を利用する予定。設置の許可を出すのは農林水産省で、前提として「地元住民の同意」が必要となる。(毎日新聞)

2009年11月13日金曜日

福山競馬 存続か廃止検討へ


 本年度上半期に4千万円近い赤字を計上した福山競馬について、福山市は近く、存続と廃止の両方を視野に入れた検討を始める方針を示した。12日の市議会決算特別委員会で開原算彦副市長が明らかにした。

 開原副市長は本年度分の賞典奨励費を約5500万円圧縮したことを踏まえ「これ以上の経費削減は不可能」との見方を示した。

 一方、耐震基準を満たしていないスタンドや老朽化した大型ビジョンなど機器の更新を施設整備基金(約7億3千万円)で賄うのは困難とも指摘。「今後の在り方を検討せざるを得ない状況に追い込まれている」とした。

 市によると、検討するステージはまだ未定という。「議会からの指摘を整理し、市民の意見を聞く必要もある」とし、専門機関を設置するかどうかも含めて総合的に判断して方針を決めるという。

 市議会側からは、1998年以降、一般会計への事業収益の繰り入れがないことを理由に「公営競馬としての役割は終わっている」「基金があるうちにピリオドを打つべきだ」などとの指摘がある半面、「高知競馬など他場との連携を強化し、赤字の解消を図るべきだ」との意見も出た。

 羽田皓市長は競馬事業存続の条件として、単年度の黒字確保が必要との認識を表明している。(中国新聞)

【写真説明】福山競馬の存廃について、近く検討に入る考えを示す開原副市長(奥)

上半期赤字 福山競馬あり方検討へ 市、市民の意見聞く場設置も

 福山市議会の決算特別委員会が12日、開かれ、2009年度上半期(4~9月)の収支が赤字に転落した福山市営競馬について、市側は「総合的な状況を踏まえ、今後のあり方を検討せざるをえない」として、今後、市民の意見を聞く場を設けることを検討する意向を示した。同市営競馬は、単年度収支の黒字確保が事業継続の前提とされ、市はこれまで「事業の継続が基本」としてきただけに、今後の動向が注目される。

 市の競馬事業特別会計は、バブル崩壊後の1992年度以降、収入の減少傾向が続いており、20億1400万円の累積赤字が重くのしかかっている。08年度は基金を取り崩すなどして677万円の黒字を確保したが、09年度の上半期は3834万円の赤字と厳しさを増している。市は下半期に向け、高知競馬との交流レースなどで売り上げ増を目指すとしてきた。

 同委員会では、委員から「在籍する競走馬が減り、レースの魅力も下がって悪循環」「基金を繰り入れて単年度収支で黒字を確保しても市民の理解は得られない」などの声が相次ぎ、「早く結論を出し、幕を閉じるべきでは」と廃止を迫る意見も出された。

 これに対し、開原算彦副市長は、「下半期に期待しているが、これ以上の経費削減は不可能で、施設の老朽化も進んでいる」と厳しい経営状況を認め、「これまでの経過や将来の展望を含め総合的な検討が必要」とした。(読売新聞)

来年G2以下の賞金ダウン 格差明確、2歳G1はアップ

 2010年の競走事業費に関するJRAと馬主側の協議がこのほど決着、本紙の取材で概要が明らかになった。売り上げの長期低落傾向が続いている(11月8日現在で昨年比94・8%)ことを反映し、予算規模も縮小を余儀なくされた。09年度比では97・7%だ。

 競走事業費の中核である本賞金が、レースのメンバーに見合う格、重要性によって格差が広がる。3歳以上G1は現状維持だが、G2、G3重賞の一部は1着本賞金が100万円から200万円のダウン。障害の1着本賞金はG1、G2が500万円、G3は300万円の大幅減だ。

 一方、クラシックに直結する2歳のG1は増額される。朝日杯FSの1着本賞金は6300万円から7000万円に、阪神JFは6000万円から6500万円にアップ。また、JCダートのステップ戦として京都にG3の都S(現オープン特別のトパーズSを昇格)を新設する。

 除外馬が多いダート競馬の距離増し手当や、他の各種手当ても削減。本賞金全体の減額は約4億円にとどまった。10年度の開催日程、番組、予算や事業計画については、18日に開催される経営委員会にはかられた上で承認される。(中日新聞)

2009年11月12日木曜日

今季2度目コスト削減 県競馬組合

 岩手競馬の売り上げ低迷を受け、県競馬組合(管理者・達増知事)が今季2回目となるコスト削減を検討していることが11日分かった。削減額は1億円程度と見込まれ、関係業者と協議した上で、24日に開く競馬組合運営協議会に提案する。今季は「ハンデ戦」の導入など新たな増収策を展開しているが、地域経済の冷え込みなどで売り上げの減少に歯止めがかからず、安定経営に向けた道筋は依然として見えない。
 岩手競馬の開幕から第3期まで(4月4日~10月26日)の発売額は約151億円(前年比4・7%減)。計画値を2億6700万円、1・7%下回った。
 競馬組合は売り上げが低迷する中、存続条件の収支均衡を図るために開催経費の削減が必要と判断。ただ、出走手当や賞金、ファンサービスに要する経費の削減は、売り上げの減少や競走馬の流出につながる恐れがあるため、最小限に抑えたい考えだ。(岩手日報)

2009年11月4日水曜日

第9回JBC、入場売り上げ13.5%減

 第9回JBCデーの3日、名古屋競馬場には1万4979人が来場。名古屋開催だった第5回JBCデーの05年(1万9085人)に比べると21%の減少。急激な寒さと強い木枯らしで客足が鈍ったか。この日1日の総売り上げは16億1975万6600円で、4年前より13.5%ほどダウン。なお、来年のJBCは船橋競馬場で開催される。(SANSPO)

個室で迫力レース観戦 門別競馬場に「プチハウス」


 再建に向けて正念場を迎えているホッカイドウ競馬の門別競馬場(日高管内日高町)に3日、貸し切り用のミニコテージ「プチハウス」3棟がオープンした。競馬場のコースを一望できるプライベート空間で、グループや友人同士で訪れたファンがさっそく利用し、ゆったりと観戦を楽しんだ。

 1棟の広さは5・6平方メートルで外観は厩舎(きゅうしゃ)をイメージ。円卓を囲むように六角形にベンチが配置され、10人程度まで利用可能。オッズなどを確認できる小モニターや投票券も。利用料は1棟1日3千円で予約制。申し込みは同競馬場(電)01456・2・2501へ。(北海道新聞)
<写真>プチハウスの中からレースを楽しむファン

道営競馬 魅力高める工夫ほしい

 多額な累積赤字を抱える道営ホッカイドウ競馬について、道が札幌競馬場でのレース開催から撤退する方向で検討に入った。

 道は昨年、旭川での開催を取りやめた。札幌からも撤退となれば、来年度は門別競馬場での開催だけとなる。

 札幌でのレースは道営競馬のシンボルになっている。残念に思うファンも多いのではないか。

 馬産地からは影響を心配する声も出ている。道はぎりぎりまで札幌開催の継続策を探ってもらいたい。

 道営競馬は1992年度以降、赤字が毎年続き、累積赤字額は約240億円に達している。

 財政が悪化している中だが、道は赤字分を一般会計から穴埋めしている。このため、2010年度に単年度赤字を解消できなければ、競馬事業を廃止する方針も打ち出した。

 札幌競馬場では例年春に4~6日開催され、今年は6日間行われた。売上額は約7億2千万円で、道の計画を約1割下回った。

 道は、札幌でレースをやめれば、約1億5千万円の経費が節減できると試算している。

 赤字体質の改善が急務だが、道営競馬には、馬産地の振興という重要な役割があることを見落としてはならない。

 道内には、日高管内を中心に約千の軽種馬生産牧場があり、全国の競走馬の9割を供給している。

 年間生産頭数は約7千頭で、約4千頭が中央競馬へ、約2千頭が地方競馬でデビューする。このうち道営競馬には約600頭が行き、別の地方競馬に回る馬も多い。

 中央競馬の盛り上がりも、道内馬産地の下支えがあってこそだといえる。競馬界全体の活性化のためにも道営競馬の魅力をさらに高め、存続を図ることが重要になる。

 例えば、道は3年前、南関東にある4競馬場と提携し、本州ファンが道営競馬の馬券をインターネットで買えるシステムを導入した。

 この利用が急速に増え、本年度は馬券販売額の3割強を占めるまでになっている。道内販売が低迷しているだけに、突出した成果といえる。

 道は、首都圏のファンに道営競馬に関する情報を提供し、道外での馬券販売にさらに力を入れるべきだ。

 レースの数や出走馬が少ないというファンの不満もある。馬主らと調整し、要望に応えてもらいたい。

 好きな馬のオーナー気分が味わえるサポーターズクラブなどのファンサービスの充実も求められる。

 馬産地で競馬場を持つ地域は、北海道以外にはない。競馬見学を観光ルートに加えるなど、地元の努力も欠かせない。(北海道新聞社説)

地方競馬の祭典「JBC」 ネット投票システム相次ぎダウン

競馬の馬券をネット上で買うことは、すっかり一般的になったが、思わぬトラブルが発生した。「地方競馬の祭典」とも称されるレースで、人気のあまり取引システムにアクセスが殺到。ネット投票サービスを提供している会社は3社あるのだが、そのうち2社では接続しにくい状態が続き、競馬ファンからは「予想は当たっていたのに投票できなかった」などと、落胆や怒りの声があがっている。
トラブルが起こったのは、2009年11月3日に名古屋競馬場で行われた「JBCクラシック」「JBCスプリント」と呼ばれるレース。同レースは、「地方競馬の最大の祭典」としても知られている。

アクセス殺到して処理が大幅遅れ
「クラシック」では武豊騎手が騎乗する「ヴァーミリアン」が3連覇を、「スプリント」では、1番人気の「スーニ」が優勝を果たし、プレゼンターとしてイリュージョニストのプリンセス・テンコーさんも登場、レースに華を添えた。
ところが、華やかなレースの裏で、思わぬ問題が起きていた。JBCの馬券は、競馬場や場外発売所で直接購入したり、電話やインターネットで購入したりすることが可能なのだが、インターネットの購入システムにアクセスが殺到。つながりにくい状態になり、「馬券が買えなかった」といった声が続出したのだ。

JBCの馬券をネット上で販売しているのは、「楽天競馬」とソフトバンク系の「オッズパーク」、「SPAT4」の3つのサービス。このうち「楽天競馬」と「オッズパーク」が、午前10時の発売直後からつながりにくい状態になった。「楽天競馬」では、レース後に説明文を掲載し、「発売開始直後より発生しておりました、入金・精算処理の遅延ですが、データベースの負荷軽減の為に一度、入金処理を停止しておりました。受付済みの入金処理の処理状況をみつつ、データベースの負荷軽減策を検討し、入金・精算処理停止中にメンテナンスを実施しました」などと説明。アクセスが殺到して処理が大幅に遅れ、この状態を解消するために、馬券の販売を一時的に停止していたことを明らかにしている。

アクセス増加予想をウェブサイト上で告知
ただし、楽天競馬では、JBC期間中は「購入金額の15.5%の楽天スーパーポイントを還元」というキャンペーンを行っており、これがアクセス増加につながった可能性もありそうだ。

一方のオッズパークでは、「ただいま、アクセスが集中していてご迷惑をお掛けしております。恐れ入りますが、D-net投票、もしくはARS投票をご利用頂きますようお願い申し上げます」との画面が表示され、電話投票や、予備のウェブサイトを使って購入するように呼びかけた。

ただし、オッズパークが楽天と対照的なのが、レース前日の11月2日の段階で、アクセス増加が予想されることをウェブサイト上で告知していたことだ。さらに、告知の中では、アクセス集中によるシステムへの負荷を下げるために、(1)出馬表や競走成績へのリンクを切る(2)騎手・調教師の検索機能を停止する(3)「マイページ」への利用を停止する、といった対策を講じることをうたっている。それでも、アクセス殺到による影響は避けられなかった様子だ。

両サイトの機能低下は決して初めてではないようで、JBCを話題にしたブログでは、「そろそろ改善してもらいたい」との声もあがっている。(JCAST-NEWS)

2009年11月2日月曜日

雨の中迫力疾走 綾町で綾競馬


  毎秋恒例となっている綾競馬(同運営委主催)は1日、綾町馬事公苑内の錦原競馬場であった。
 サラブレッド30頭、ポニー27頭が出走して計12レースを実施。競走馬の疾走が県内外から詰め掛けた約7千人(主催者発表)のファンを沸かせた。
 雨の影響で馬場の状態は良くなかったが、地響きを立てて駆け抜ける馬の雄姿は迫力十分。順位予想が的中すると町の特産品や日用品が当たる「お楽しみ券」もあり、目当ての馬に応援を送る光景も見られた。

【写真】サラブレッドの疾走が観衆を沸かせた綾競馬=1日午前、綾町